行動を続ける7原則|SIMPLERとやる気不要の仕組み

白衣姿のみどりんがホワイトボードで「SIMPLERモデルの7原則」を指しながら説明し、スーツ姿のまなぶくんがノートを取りながらうなずいている。背景は淡い緑と青のグラデーションで、ギアやチェックマーク、脳のアイコンが配置された明るく知的な雰囲気のイラスト。

「今度こそ続けよう!」と決意したのに、いつも三日坊主で終わってしまう。
そんな経験、ありませんか?💦

実は、行動が続かない理由は「やる気不足」ではありません。
必要なのは“意志”ではなく”設計”です。

まなぶくん

みどりん先生、どうして”やる気”って長続きしないんですか?

みどりん

それはね、”意志”に頼りすぎてるからよ🌿。行動には”設計”が必要なの

この「行動設計」の考え方を体系化したのが、行動経済学の『SIMPLER(シンプラー)モデル』です💡

SIMPLERモデルは、アメリカの行動科学機関MDRC(BICSプロジェクト)でも活用されており、
複雑な手続きを”シンプルに行動しやすく設計”することで、
実際に人々の行動率を高める効果が報告されています(出典)。

つまり、やる気がなくても「自然と続けられる仕組み」を作ることができるのです。

本記事では、行動経済学のSIMPLERモデルをもとに、
「行動を続ける7つの設計原則」をわかりやすく解説します。

ダイエットや勉強、仕事の習慣など、
「続けられない」を卒業して、”やる気に頼らない継続力”を身につけましょう🌱

📘 この記事でわかること

「SIMPLER」とは?行動経済学で使われる”行動設計”の基本概念
行動を続けるための7つの原則
  S: Simple(簡単化)/ I: Implementation(実装)/ M: Monitor(監視)
  P: Prompt(促し)/ L: Link(関連づけ)/ E: Engage(関与)/ R: Reward(報酬)
生活・仕事・学習への応用事例(続ける仕組みの作り方)
行動経済学の実践研究「BICSプロジェクト(MDRC)」の内容

目次

🧩 SIMPLERとは?やる気に頼らず“行動を続ける”ための設計モデル

まなぶくん

“SIMPLER”って何の略なんですか?英語が並ぶと難しそう…💦

みどりん

心配いらないよ🌿。ひとつずつ見ると“続けるためのコツ”になってるの

💡 SIMPLERは「行動を設計する7原則」の頭文字

Simple(簡単化)/Implementation(実行計画)/Monitor(見える化)/
Prompt(促し)/Link(関連づけ)/Engage(関与・参加)/Reward(報酬)

🧠 SIMPLERの7原則を一覧で見る

原則定義(設計のポイント)具体例
S:Simple(簡単化)複雑さ・選択肢を減らし迷いをなくす申込フォームを1画面化/食事記録をタップ一回に
I:Implementation(実行計画)「いつ・どこで・何を」を事前に確定「22時に寝る前ストレッチ」などif-thenで設定
M:Monitor(見える化)進捗・結果を可視化して自己認識UPカレンダーに○/アプリで連続達成日数を表示
P:Prompt(促し)行動直前に思い出させるトリガー通知・リマインドSMS・目につく貼り紙
L:Link(関連づけ)行動を“自分の目的”に結びつける「健康=家族と長く過ごすため」と明文化
E:Engage(関与・参加)他者との関わりで継続を支える友人に進捗報告/コミュニティで成果共有
R:Reward(報酬)行動に即時の達成感を付与バッジ・チェック音・「よくやった!」の自己肯定
まなぶくん

“心理のスイッチ”を先に設計しておく感じですね!

みどりん

そう。意志に頼らず、仕組みで続けるのがコツ✨

🔍 なぜ効く?「意志」ではなく「設計」で行動を変える

行動経済学では「続かない」の多くは“設計の欠如”が原因。
MDRCのBICSでは、通知の設計(Prompt)、書式の簡素化(Simple)、目的の強調(Link)などを組み合わせ、複雑な手続きを“自然とできる形”に再設計して実行率の改善が示されています(出典)。

✨ まずは3原則から試す

1️⃣ Simple:手順を1ステップに絞る
2️⃣ Prompt:行動直前に思い出す仕組み
3️⃣ Reward:終わったら即ポジティブ評価

例1|朝ウォーキング
– 🥾 靴を玄関に出す(Simple)
– ⏰ 7時の通知(Prompt)
– 🎵 歩いたら好きな曲1曲(Reward)

例2|勉強の習慣
– 📚 参考書を開いたまま置く(Simple)
– ⏰ 20時の学習通知(Prompt)
– ☕ 終わったらお気に入りドリンク(Reward)

まなぶくん

ジャンルが違っても同じ設計で応用できるんですね!

みどりん

その通り🌿。仕組みが続けやすさを生むの

SIMPLERを日常に応用する方法

― 健康・仕事・学習で「続ける仕組み」をつくる ―

まなぶくん

理論はわかったけど、実生活ではどう使えばいいんですか?

みどりん

ポイントは“やる気に頼らず、設計で続ける”。分野ごとに最重要の3原則を選んで使うのよ🌿

🥗【健康】続けるコツは「Simple・Prompt・Reward」で“自動化”

よくある失敗パターン
❌「毎日ジョギング!」→ 雨で中断→そのままフェードアウト
❌「野菜中心にする!」→ 外食で揚げ物を選びがち
❌「早寝早起き!」→ 就寝前スマホで夜更かし

なぜこの3原則?(重要理由)

  • Simple:選択肢が多いと迷って行動しない
  • Prompt:忙しいと“やるつもり”を忘れる
  • Reward:効果が遅く、達成感が続かない
    → 環境側を整えると継続率が上がることが示されています※1。

具体例:食事・運動・睡眠の習慣づけ

原則応用のヒント実践例(すぐできる版)
Simple(簡単化)迷いを物理的に消す冷蔵庫の最前列に水と野菜/お菓子は奥の引き出しへ/平日ランチは3パターン固定
Prompt(促し)思い出しトリガーを配置歯磨き後=体重計に乗る/就寝1時間前に照明自動減光アラート
Reward(報酬)即時の満足を設計健康アプリで連続記録バッジ/運動後にお気に入りのドリンク
まなぶくん

意志じゃなく、配置と仕掛けで続ける感じですね!

みどりん

そう🌿。“選ばなくても健康的になる”がカギよ。

💼【仕事】生産性アップは「Implementation・Monitor・Link」で“先延ばし対策”

よくある失敗パターン
❌「今日中にやる」→ 時間を決めず先延ばし
❌「頑張ってるのに評価されない」→ 仕事の意味が見えず失速
❌「タスクが減らない」→ 進捗が見えず達成感ゼロ

なぜこの3原則?(重要理由)

  • Implementation:開始条件が曖昧だと着手できない
  • Monitor:見える化がないと達成感が生まれない
  • Link:目的との結びつきが弱いと動機が保てない
    → 設計で意志力の消耗を抑え、自然に回るワークフローにできます※2。

具体例:タスク管理・モチベ維持

原則応用のヒント実践例(すぐできる版)
Implementation(実行計画)「時間×場所×行動」を固定9:00 メール報告/昼食後 書類確認をカレンダーにブロック登録
Monitor(見える化)進捗=グラフ化ToDoアプリで完了数を週次グラフ/週報に達成率を記載
Link(関連づけ)仕事=自分の目的と結ぶデスクに付箋「この資料=チームの成功」/週報に**一言“貢献したこと”**を書く

📚【学習】集中は「Engage・Reward・Monitor」で“孤独と無報酬”を回避

よくある失敗パターン
❌ 一人学習で3日で挫折
❌ 進捗が見えず不安→中断
❌ 成果実感が薄くモチベが続かない

なぜこの3原則?(重要理由)

  • Engage:社会的関与が継続力を押し上げる
  • Reward:小さな達成の即時報酬が継続を補強
  • Monitor:定量的な見える化が自己効力を支える
    → 設計で“学び続ける人”の土台を作れます※3。

具体例:勉強・資格・読書習慣

原則応用のヒント実践例(すぐできる版)
Engage(関与・参加)共有・約束で粘る毎週日曜20時にLINEで学習報告/月1オンライン勉強会
Reward(報酬)達成を可視化・ご褒美章クリアでシール/1章後はカフェ休憩/アプリの連続達成バッジ
Monitor(見える化)数字で積み上げを確認学習時間アプリで累計時間グラフ/正答率の推移を記録
まなぶくん

努力を“設計”に置き換える発想ですね!

みどりん

その通り🌿。感情に任せず、続く形を先に作るの。

🌟応用編|7原則を全部使う「朝の読書30分」設計例

目標:毎朝30分の読書を続ける

原則設計内容
S:Simpleベッドサイドに本を1冊だけ置く
I:Implementation「6:30 ベッドで10ページ」if-then設定
M:Monitor記録アプリで累計ページ数のグラフ
P:Promptアラーム名を「読書タイム🌿」に
L:Link手帳に「読書=視野を広げる投資」と明記
E:Engage毎週日曜に読書仲間と感想共有
R:Reward10ページ後にお気に入りコーヒー
まなぶくん

全部組み合わせると鉄壁ですね…!

みどりん

全部じゃなくてOK。でも組み合わせるほど成功確率は上がるのよ。

🌱 まとめ|「やる気」ではなく「設計」で行動は続く

人は「意志が弱いから続かない」のではありません。
実は、行動が続かないのは、“設計が足りない”だけ。

アメリカの社会政策研究機関 MDRC が実施した
「Behavioral Interventions for Child Support Services(BICS)プロジェクト」でも、
複雑な公的手続きを行動科学の原則で設計し直すことで、
申請率や継続率が大幅に改善されたことが報告されています。

つまり、意志の強さではなく、環境と心理の設計で行動は変わるのです。

SIMPLERモデルの7原則は、
「やる気を出す」よりも「やる気がいらない仕組みを作る」ことにフォーカスした、
行動経済学に基づく
“継続の科学”です。

みどりん

つまり、“行動できる環境”を作ることが一番のモチベーションなのよ🌿

まなぶくん

やる気がなくても続けられるって、なんか希望が持てますね!

健康でも、仕事でも、学びでも——
あなたが続けたいことは、少しの設計で“自然と続く習慣”に変えられます。

✨ 今日からできる小さな一歩(3ステップ)

SIMPLERの7原則すべてを使う必要はありません。まずはこの3つから👇

1️⃣ Simple(簡単化):行動を「1ステップ」に絞る
→ 選択肢が多いほど迷いが増えるため、“決断負荷”を減らす。

2️⃣ Prompt(促し):思い出す仕組みを作る
→ 忙しいと忘れるのが人間。時間・場所・行動直前の“トリガー”を設置。

3️⃣ Reward(報酬):終わったら自分を褒める
→ 小さな達成感の積み重ねが、“継続の燃料”になる。

みどりん

難しいことはしなくて大丈夫。小さな“設計の工夫”が、未来を変える第一歩になるのよ🌱

🔗 次回予告|MINDSPACE × SIMPLERで「変えて・続ける」最強の行動設計へ

この記事で学んだ「SIMPLER」(継続の設計)と、
前回の
「MINDSPACE」(行動を起こす心理トリガー)を組み合わせると、
真の意味で
「行動を変え、続ける」ことができるようになります。

段階モデル役割
第1段階MINDSPACE新しい行動を始めるための心理トリガー
第2段階SIMPLER始めた行動を続けるための設計原則
最強タッグMINDSPACE × SIMPLER「変える × 続ける」が完成する
まなぶくん

MINDSPACEで動き出して、SIMPLERで続ける…まさに最強タッグですね!

みどりん

そう✨ 次回はその“融合設計”を実例で解説していくわ!

次回もお楽しみに!🌿

📝 ご注意ください
・本記事は、信頼性の高い文献や論文をもとに専門知識をわかりやすく整理した一般情報です。
・内容には十分配慮しておりますが、個々の状況や悩みには専門家へのご相談をおすすめします。
・内容に誤りやお気づきの点がございましたら、そっとお知らせいただけると幸いです。

📚 参考文献

Behavioral Interventions for Child Support Services (BICS) Project.
Retrieved from https://www.mdrc.org/work/projects/behavioral-interventions-child-support-services-bics-project

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