まなぶくん目標を立てても、また三日坊主に…。



意志力の問題じゃないよ。未来の自分像が曖昧だからなんだ。



未来の自分像?



心理学ではPossible Selves(未来自己)って言って、なりたい自分(hoped-for)となりたくない自分(feared)の両方を具体化すると、毎日の選択がブレにくくなるの。



両方…たしかに、理想だけだと動けないかも。



今日は未来の自分を5分で可視化→1つだけ行動に接続しよう。WOOPとif-thenを組み合わせれば、明日から続く人になれるよ。
この記事でわかること
- 未来自己理論の要点がわかる
- 未来の自分を5分で描くワークができる
- WOOP×if-thenで行動トリガーまで落とし込める
なぜ「未来の自分」を描くと行動が続くのか



みどりん先生、未来の自分を思い描くと行動が変わるって本当にあるの?



うん、あるよ。実際にPsychology Todayの記事でも、
Hoped-for Future Selves(なりたい未来の自分)を想像することで、
人は行動や生き方まで変化するって紹介されているの(出典)。
🌱 「なりたい自分」と「なりたくない自分」が行動の羅針盤になる
心理学では、人の中には2つの未来像が存在すると考えられています。
それが「hoped-for self(なりたい自分)」と、「feared self(なりたくない自分)」です。
Bergland氏によると、この2つの未来像は私たちの現在の行動を導く羅針盤のような役割を果たしています(出典)。
たとえば——
- 「健康的で前向きな自分」=hoped-for self
- 「疲れて何も続かない自分」=feared self
この2つを意識することで、「どんな行動を選べば理想に近づけて、避けたい未来を遠ざけられるか?」を自然に考えられるようになります。



理想を追う力と、避けたい未来から離れたい力。その両方がモチベーションになるんだよ。



なるほど…頑張らなきゃじゃなくて、“こうありたい”と“こうなりたくない”で動くんだね。
⚖️ 理想と恐れのバランスが「続ける力」を生む
理想だけを追いかけると、現実とのギャップで挫折しやすくなります。
一方で、恐れだけを意識すると、行動が萎縮してしまう。
でもこの2つを同じテーマ(健康・仕事・学びなど)でセットにして描くと、
「今やる理由」が明確になり、行動がブレにくくなるのです。



“こうなりたい”と“こうはなりたくない”をセットにすると、
未来が“他人事”じゃなくて自分事になるんだよ。
🧩 脳も未来を“リアル”に感じている
未来の自分をリアルに想像すると、脳の中では
- 前頭前野(計画・判断)
- 報酬系(やる気・快感)
が同時に働きます。
つまり「やらなきゃ」ではなく「自分ならやる」という、
アイデンティティに基づく行動に変わるのです。



意志力じゃなくて、自分らしさで続ける感じだね。



そうそう。努力というより、自然な選択になるんだよ。
🎯 だから「未来を描く=続ける力」
未来の自分を描くことは、
「今日はやるべきかどうか」を考えることではなく、
「自分はこういう人だからやる」という行動の再設計。
未来の自分像が明確な人ほど、
習慣を「意思で頑張るもの」から「自分らしい行動」へと変えていけます。



つまり、続く人になる第一歩は、未来を具体的に描く習慣なんだよ。



未来の自分を想像するだけで、行動が変わるなんておもしろい!
[なりたい自分] ←→ [なりたくない自分]
↑ ↑
希望 警鐘(恐れ)
\ /
\ /
【今日の行動選択】
左右の「希望」と「警鐘」が、
現在の自分を両側から支えるように働きます。
この2つの引力が強いほど、迷いが減り、
「今やる理由」が自然に浮かび上がるようになります。
✍️ 筆者の体験
私自身、「理想の自分を描く」ことで習慣が大きく変わった経験があります。
以前は「痩せたい」と思っても、朝の筋トレは三日坊主。
でもある日、「5年後、仕事にも健康にも余裕がある自分」と
「疲れて何も楽しめない自分」をはっきりイメージした瞬間、行動が変わりました。
「今朝のスクワットは、5年後の自分をつくる行動」——そう思えると、
それはもうやるべきことではなく、自分の一部になっていたんです。
💬 小まとめ
未来の自分を思い描くことは、
単なる夢想ではなく「行動の設計図づくり」。
理想と恐れをセットで描けば、脳はその未来をリアルに感じ、
毎日の選択を「意志」ではなく「自分の物語」として動かしてくれます。
👉 では、その「未来の物語」を実際の毎日の行動に変えるには、 どんな仕組みをつくればいいのでしょうか? 次は「WOOP法」と「if-thenプランニング」で、 未来を行動に接続する方法を見ていきます。
🚀 未来の自分を“現実の行動”につなげる方法



未来の自分を思い描くのは大事だってわかったけど、
想像しただけで終わっちゃいそうだなあ…。



そこが大事なポイント!
描いた未来を行動に変える仕組みをつくれば、続ける力になるんだよ。
🌈 WOOP法の4ステップで「理想と現実のギャップ」をつなぐ
未来の自分を描いたら、次に使いたいのがWOOP法(ウープ法)。
これは心理学者ガブリエル・エッティンゲンが提唱した、願望を現実に変える科学的な4ステップです。
W:Wish(願望)
O:Outcome(結果)
O:Obstacle(障害)
P:Plan(計画)



なりたい自分を現実にするには、
まず“願い→結果→障害→対策”を整理しておくのがコツだよ。



たしかに、うまくいかない理由を最初に考えたことなかったかも…!
🧩 例:「朝運動を習慣にしたい」場合
| ステップ | 内容例 |
|---|---|
| Wish | 朝のスタートを気持ちよく切りたい |
| Outcome | 集中力が上がり、仕事も快調に進む |
| Obstacle | 起きたらスマホを見てしまう |
| Plan | 目覚ましをスマホ以外にして、起きたらストレッチする |
この「Plan」を、次に紹介するif-thenプランニングに変えると、
習慣が自動的に動き出します。
📖 WOOP法の詳しい解説はこちら👇
👉 目標設定しても続かない人必見!心理学的解決法WOOP
⚙️ if-thenプランニングで行動を“自動化”する
WOOPで方向が見えたら、次はif-thenプランニング(実装意図)で行動を自動化します。
心理学者ピーター・ゴルヴィッツァーが提唱した方法で、
「もし○○なら、△△する」という条件つき行動をあらかじめ決めておく技法です。



“もし”と“なら”を決めるだけでいいの?



そう、それだけで脳に自動スイッチが作られるんだよ。
例:「朝ストレッチを習慣にする」
- もし 朝7時にアラームが鳴ったら、5分ストレッチをする
- もし コーヒーを淹れたら、深呼吸を3回する
このように、状況(if)+行動(then)をセットにするだけで、
意思に頼らず自然に行動が引き出されます。
🧠 研究では、if-then文を事前に決めることで脳が「その状況=行動開始の合図」と認識し、
意思決定の負荷が大幅に減ることが分かっています。
つまり、やる気ではなく設計で続けられるようになるのです。
📘 if-thenプランニングの詳しい解説はこちら👇
👉 if-then プランニングとは?三日坊主を克服する科学的な習慣化術
🔗 Possible Selves × WOOP × if-then の行動設計フロー
未来の自分を描く(Possible Selves)
↓
WOOPで現実とのギャップを整理
↓
if-thenで行動トリガーを設定
↓
「自分らしい習慣」が自然に動き出す



この流れを日常に落とし込むと、なりたい自分が
現実の中でちゃんと育っていくんだよ。



未来を描いて、仕組みをつくる。
それって、自分の物語を設計するってことなんだね。
✍️ 実践ワーク:未来の自分を行動につなげよう
今日からできる、5分ワークはこちら👇
- ノートに「1年後の理想の自分」と「なりたくない自分」を1行ずつ書く
- 理想をWOOPの4ステップ(Wish / Outcome / Obstacle / Plan)に整理
- Planの部分を「if-then文」に変える
例:
- もし夜9時になったら、スマホを閉じて読書する
- もし疲れを感じたら、未来の自分の写真を思い浮かべる
if-then文のセルフチェック
- 「もし」の条件は毎日起こる場面か?
- 「する」の行動は5分以内で完了できるか?
- その行動は理想の自分に確実に近づく内容か?
この3つがすべてYESなら、
あなたのif-then文は“続く仕組み”になっています。



できれば週1回、障害ログを1行書いてみて。
それを見直すと、習慣が自分の生活にフィットしていくよ。
💬 小まとめ
未来を描くだけでは行動は変わりません。
でも、WOOPでギャップを整理し、if-thenで行動を自動化すれば、
「なりたい自分」は確実に“今”に近づいていきます。



未来を描く力と、行動を仕組みにする力。
この2つを組み合わせれば、三日坊主はもう怖くないよ。



うん! ぼくも今日から“未来の自分設計”始めてみる!
🔗 関連記事
習慣ループと「未来の自分」の関係を脳科学でひも解く
【読者の疑問】なぜこの方法が効果的なのか?



WOOPとif-thenで行動を仕組みにできるのはわかったけど、
なんでそれだけで続くようになるんだろう?



いい質問だね。
それはね、脳の仕組みがうまく利用できているからなんだよ。
🧠 習慣は“脳の自動運転モード”で動いている
人の行動の約40%は、意識的な判断ではなく自動化された習慣によるもの。
これは「習慣ループ(habit loop)」という仕組みで説明されます。
Cue(きっかけ) → Routine(行動) → Reward(報酬)
一度このループが定着すると、脳の大脳基底核が行動を自動的に実行します。
だから「頑張ってやる」よりも、「自然にやってしまう」状態を作ることが重要なんです。



やる気を出すより、自動運転を設定したほうが続くんだよ。



たしかに…朝歯を磨くみたいにできたら最強だね。
💡 WOOPとif-thenは「きっかけ」と「報酬」を設計している
WOOPでは「何を」「なぜ」やりたいかを整理します。
if-thenでは、その行動を起動させるきっかけ(Cue)を明確に設定します。
つまり、WOOP+if-thenを使うことで
「Cue → Routine → Reward」の習慣ループが意図的に設計できるのです。
例:「朝のストレッチ」を習慣にしたい場合
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| Cue(きっかけ) | 朝7時のアラーム音 |
| Routine(行動) | 5分ストレッチ |
| Reward(報酬) | 「未来の自分に近づいた」という感覚・スッキリ感 |



報酬って、チョコとかご褒美じゃなくていいんだよ。
理想の自分に1歩近づいたっていう内側の満足感が一番強い報酬になるの。



たしかに、それなら毎日できそう!
🌈 「未来の自分」を報酬に変える
脳は、想像した未来にも反応します。
「理想の自分を思い描く」ことで、報酬系(ドーパミン回路)が活性化し、
実際にその行動をしたときと同じように快感を感じることがわかっています。
つまり、「もし朝運動したら、未来の自分に1歩近づける」
と考えるだけで、脳は「それは報われる行動だ」と学習していくのです。



未来を描くって、実は脳にこれはうれしいことって教える合図なんだよ。



なるほど…ご褒美のイメージトレーニングみたいな感じか!
⚙️ 脳内で起こっていること
- 前頭前野:目標や未来を想像して計画を立てる
- 大脳基底核:繰り返し行動を自動化
- 報酬系(ドーパミン回路):達成や進歩を快感として記憶
この3つが連携すると、行動は「努力」ではなく「自然な習慣」へと変わります。



つまり、未来を描くことは脳の報酬スイッチを押す行為でもあるんだよ。



うわ、それ…ちょっとワクワクする!
Cue(きっかけ) → Routine(行動) → Reward(未来の自分に1歩近づいた感覚)
↑ ↓
if-then Possible Selves(未来の自分像)
👉 「未来の自分」が“ご褒美”として設定されることで、
習慣は意思ではなく期待感で続くようになります。
✍️ 実践ワーク:未来を報酬化する
今日できる簡単なトレーニングはこちら👇
- 今週続けたい習慣を1つ書く(例:朝ストレッチ)
- それをしたときの「未来の自分の気分・表情」をイメージする
- 1行でまとめる:「〇〇したら、未来の自分が〇〇と感じる」
例:
朝ストレッチをしたら、未来の私は自分を大切にできたと感じる
→ この1文を毎朝見るだけで、報酬系が活性化し、行動が続きやすくなります。
💬 小まとめ
「未来の自分を描く」ことは、
脳の報酬回路を“先に”動かす行動デザイン。
Possible Selves × WOOP × if-thenを組み合わせることで、
あなたの習慣は意思に頼らず自然に動くようになります。



続く人は、やる気のある人じゃなくて、報酬の設計が上手い人なんだよ。



ぼくも明日、未来の自分へのご褒美を感じながらストレッチしてみよう!
🌟 まとめ|「未来の自分」を描ける人は、行動を続けられる人になる



今日の話、ぜんぶつながった気がする…!



うん。未来を描くって、ただの想像じゃなくて行動設計の第一歩なんだよ。
🧠 ステップで振り返る:未来を描く→習慣が続くまでの流れ
| ステップ | 内容 | キーワード |
|---|---|---|
| ① 理解 | Possible Selves Theory(未来自己理論)で「なりたい自分」と「なりたくない自分」を意識する | 動機づけ・方向性 |
| ② 設計 | WOOP法で願望・障害・対策を整理し、if-thenで具体的行動に変える | 行動設計・自動化 |
| ③ 定着 | 習慣ループと報酬系を使い、「未来の自分」を報酬に変える | 内的報酬・継続 |
この流れを組み合わせることで、
「やる気がある日だけ頑張る」から
「自然に動ける自分」へと変わります。
💡 ポイント整理|続ける人がしている3つのこと
- 未来の自分を具体的に描く
→ 「hoped-for」と「feared self」をセットにして、モチベーションの両輪に。 - 行動を仕組み化する
→ WOOPで計画を立て、if-thenで自動スイッチをつくる。 - 未来を報酬に変える
→ 「理想の自分に1歩近づいた」その感覚をご褒美として脳に刻む。



やる気を頼りにするのは一瞬。
仕組みと未来の報酬で続けるのが、本当の習慣化なんだよ。



うん、なんか頑張るじゃなくて“育てる”感じがしていいね!
🌈 今夜できるアクション5分ワーク
- ノートを開いて「1年後の理想の自分」を1行で書く
- それと対になる「なりたくない自分」も1行書く
- 理想をWOOPで整理し、Planをif-then文に変える
- 朝または夜、そのif-then文を1回読む
- 「未来の自分が喜ぶ姿」を3秒イメージする
この5分を1日1回。
それだけで、あなたの脳は“理想の未来”を現実に近づけるルートを学習していきます。
📝 ご注意ください
・本記事は、信頼性の高い文献や論文をもとに専門知識をわかりやすく整理した一般情報です。
・内容には十分配慮しておりますが、個々の状況や悩みには専門家へのご相談をおすすめします。
・内容に誤りやお気づきの点がございましたら、そっとお知らせいただけると幸いです。
🔖 参考文献
- Bergland, C. (2021). How Visualizing “Hoped-for Future Selves” May Affect Destiny. Psychology Today.
(出典:https://www.psychologytoday.com/nz/blog/the-athletes-way/202101/how-visualizing-hoped-for-future-selves-may-affect-destiny)
