「自分だけは大丈夫」って、つい思ってない?

ぼく、台風でも“たぶん電車動いてるでしょ”って思って会社行って…止まってたことあります…



それ、“楽観バイアス”っていうの。人間の思考にそなわった“ちょっと都合のいい思い込み”ね



え、ぼくだけじゃないんですか!?



むしろ、ほとんどの人が持ってるクセよ。大事なのは“自分がどれくらいその傾向あるか”を知ることなの
この記事では、あなたの“楽観バイアス度”を10の質問でチェックできる簡単な診断をご用意しました✨
さらに、なぜそのクセが起こるのか?どう付き合えばいいのか?についても、心理学と脳科学の研究をもとにやさしく解説します。
思考のクセを知れば、リスクにもチャンスにも、バランスよく向き合えるようになりますよ😊
- 「楽観バイアス」とは何か?どんな場面で起きるのかがわかる
- あなたの“思考のクセ”を10の質問でセルフチェックできる
- 楽観型・バランス型・慎重型などの4タイプに分類&アドバイスつき
- 「なぜ自分は楽観的に考えやすいのか?」の理由を脳科学と心理学で解説
- 今日から始められる!楽観バイアスとの上手な付き合い方3ステップ
「自分だけは大丈夫」と思ったこと、ありませんか?
楽観バイアスとは?――心理学で解明された“思考のクセ”とは



みどりん先生、ニュースで『楽観バイアス』って聞いたんですけど、なんとなく“前向きな人”ってことですか?



うん、そう聞こえるよね。でも実はちょっと違うの。“自分だけは悪いことが起こらない”って、都合よく信じちゃう脳のクセなのよ。



へぇ~!それって誰でもあるんですか?



実はほとんどの人がそうなの。心理学では『楽観バイアス(optimism bias)』って言って、たとえば事故・病気・失敗などのリスクを“自分には起こらない”と過小評価する傾向があるってわかっているの(出典)。



でも、ポジティブに考えるのって悪いことじゃないような…?



もちろん、前向きさは大事よ。でもね、根拠のない楽観は“油断”につながって、判断ミスを招くこともあるの。たとえば、“締切ギリギリだけど、なんとかなるでしょ”って思って遅れたり…
🔍 こんな人は要注意!
- 「自分だけは事故に遭わない」と感じる
- 健康診断は毎年後回しにしちゃう
- 計画より早く終わるとなんとなく思ってる
- 災害や病気の備えは“そのうちやればいい”



思い込みは誰にでもあるけど、それに“気づくこと”がすべてのスタートよ☘️



なるほど…!じゃあまず、自分がどれくらい楽観的なのか、診断してみたいです!



うん、次の10の質問で“思考のクセ”をチェックしてみよう♪
次のセクションでは、心理学と脳科学にもとづいた「10の診断質問」をご紹介します📋
あなたはどのタイプ?今すぐチェックしてみましょう!
【10の質問】楽観バイアスをチェック!あなたの思考スタイル診断


チェック方法とスコアの見方
「はい/いいえ」で答えて合計点を確認🎯



みどりん先生、この診断ってどうやるんですか?



とってもカンタンよ♪ これから10個の質問を出すから、“あてはまる”と思ったら『はい』、そうでなければ『いいえ』で答えてね。最後に“はいの数”を数えるだけ☘️



それならできそうです!うーん、ドキドキするなあ…!
楽観バイアス診断|10の質問リスト
【心理学 × 脳科学 × 行動習慣】に基づいて構成
以下の10の質問は、心理学のLOT-R(Life Orientation Test-Revised)にくわえて、Sharotらの脳研究やCOVID-19関連の行動心理研究(出典)などを参考に作成しています。
あなたの“思考のクセ”を探るヒントになるので、リラックスして答えてみてください😊
🔎 楽観バイアス診断10の質問
- 将来のことを考えると、自然と「なんとかなる気がする」と感じる
- 「自分は病気になりにくい方だ」と思っている
- つい「最悪の事態」を想定せずに行動することが多い
- 目標の達成率を、実際よりも高く見積もることがある
- 締切ギリギリでも「今回は間に合う」と思って先延ばししがち
- 「自分だけは事故やトラブルに巻き込まれない」と感じる
- 防災や保険、健康診断などを「そのうちやればいい」と思いがち
- 一度失敗しても「次は大丈夫」と特に対策を取らないことがある
- ネガティブな情報は、つい目をそらしたくなる
- 周囲に心配されても「自分は大丈夫」と思う場面がある
🔢 スコアの見方
「はい」の数を数えて、以下の4タイプからご自身の思考傾向をチェックしてみましょう💡
- 0〜2個:慎重型
- 3〜5個:バランス型
- 6〜8個:やや楽観型
- 9〜10個:楽観優位型
※診断はあくまで傾向を知るための参考です。次のセクションでは、それぞれのタイプ別にアドバイスをご紹介します✨



“自分を知る”って、じつは一番大事な“スキル”なの。次は、あなたの結果を見ながら、一緒に思考のクセと向き合ってみましょうね🌱



ぼく何個当てはまったかな…。ドキドキするけど、なんかちょっと楽しみです!
🧠 結果を見てみよう|あなたはどの“思考タイプ”?


スコア別分類|4つの思考パターンとは?



先生!ぼく“はい”が6個だったんですけど、これはどうなんですか?



それは“やや楽観型”ね。ここからは、あなたのスコアに合わせて、思考タイプとその特徴、気をつけたいポイントを見ていきましょう☘️
🎯 あなたのタイプ別アドバイス
スコア | 思考タイプ | 特徴とアドバイス |
---|---|---|
0〜2個 | 慎重型 | リスクをしっかり認識し、計画的に動けるタイプ。 ただし、考えすぎて行動が遅れがちになることもあるので、「最悪」だけでなく「ベスト」な未来にも目を向けてみよう。 |
3〜5個 | バランス型 | ポジティブとネガティブのバランスが取れた安定型。 無理に変える必要はないが、自分の直感とデータの両方を意識することで、より賢い選択ができる。 |
6〜8個 | やや楽観型 | 基本的にポジティブ思考で、チャレンジ精神があるタイプ。 ただし、“うまくいくはず”の思い込みで準備不足になることもあるので、「もしも」の視点を1つ加えるのがコツ。 |
9〜10個 | 楽観型(楽観優位型) | 常にポジティブで、未来を明るく見通す傾向が強いタイプ。 周囲よりもリスクを軽く見がちなため、“ネガティブな情報にも一度は向き合う習慣”が大切。 |



なるほど…たしかに、いつも“なんとかなるっしょ”って思ってるかも…笑



それはあなたの良さでもあるわ。でも、“備えあれば憂いなし”も忘れないでね☂️



前向きと油断って、紙一重なんですね



そうなの。“楽観”を“味方”にするには、ちょっとした意識がカギなのよ🌱
次のセクションでは、「なぜ人は楽観的に偏りやすいのか?」
その“脳のしくみ”と“心理的背景”をやさしく解説していきます🧠✨
🧠 なぜ“楽観的すぎる”思考が起きるのか?
脳と心理のしくみから「楽観バイアス」をひも解く



楽観バイアスって、“気の持ちよう”だけでなく、脳の働きそのものにも関係してるのよ



脳のクセだったんですね…!知らなかった…!
ここでは、3つの視点から「なぜ人は楽観的に偏るのか?」をやさしく解説します☘️
🧠 脳のしくみ|良い情報は信じやすく、悪い情報は無視しがち
脳科学の研究では、人は「自分にとって都合のよい情報」には反応しやすく、「望ましくない情報」には反応が鈍くなる傾向があることがわかっています。
特に前頭前野(PFC)の働きによって、ポジティブな未来予測は強化される一方で、ネガティブな情報は十分に処理されない(神経的符号化が弱い)ことが示されています(出典)。



つまり、“いいことは信じたい、悪いことは見たくない”っていう脳のクセが、知らず知らずのうちにバイアスを生んでるのよ
🧠 心理学的背景|「自分でコントロールできる」と思うほどリスクを軽視
心理学のメタ分析(出典:Klein & Helweg-Larsen, 2002)では、
- リスクを自分でコントロールできると思っている人ほど、楽観バイアスが強まる
という傾向が確認されています。
たとえば…
- 毎日ジム行ってるし、生活習慣病なんて無縁でしょ
- 自分で運転してるから事故なんて起きないよ
このように、主観的な“コントロール感”があると、現実のリスクを軽視してしまうことがあるんです。



うわぁ…たしかに“自分は大丈夫”って、なんとなく思っちゃうかも…
🧠 社会的背景|“安心感”が過信になったコロナ禍の例
近年の研究(出典:Wojtkowska et al., 2022)では、パンデミック下における“楽観バイアスの強まり”が観察されました。
たとえば、
- 若いから重症化しないでしょ
- マスクしてるし大丈夫
- 自分の周りでは感染者が出てないから平気
というように、不安な状況下で安心したい気持ちが、かえって油断を生むことがあるのです。



“不安を打ち消すための楽観”って、確かにちょっとわかるわよね。でもそれが判断をゆがめる原因になることも…
🧩 楽観バイアスは、誰にでもある“思考のクセ”
楽観的に考えること自体は悪いことではありません。
でもその裏側には、「情報の取り方」や「コントロール感」「社会的な安心の欲求」など、いくつもの心理・脳科学的要因が関係しています。



じゃあ、対策ってあるんですか?クセだから仕方ないってわけじゃないですよね?



もちろん!クセには“気づき方”と“向き合い方”があるのよ✨
次のセクションでは、今日からできる3つの対策習慣をご紹介します📘
“ちょうどいい楽観”を手に入れるヒントを、ぜひチェックしてくださいね。
🌱今日からできる!楽観バイアスと付き合う3つの習慣





思考のクセって、知るだけでもすごく発見でした。でも、これからどうすればいいんですか?



大丈夫、ちょっとした習慣で“適度な楽観”を育てることができるわよ☘️
①「悪い予測」もあえて1回はしてみる
人は無意識に「都合のいい未来」ばかり想像しがち。でも、いざというときに備えるには、“最悪のケース”を1度シミュレーションしておくのが有効です。
- 旅行前に「飛行機が遅れたらどうする?」と考える
- プレゼン前に「PCがフリーズしたら?」と対策を考えておく



“準備のための不安”は、むしろポジティブなのよ♪
②「自分だけは大丈夫」と思ったら、1歩引いてみる
何かを判断するときに、「自分だけはうまくいく」と感じたら、“他の人にも同じことを勧められるか?”と考えてみましょう。
たとえば「徹夜で乗り切ればいい」と思ったら、
→「後輩にもそれ勧められるかな?」と考えてみる。



うわ…それ無理です。ちゃんと寝なさいって言います…
③「計画倒れ日記」をつけてみる
何かうまくいかなかったときに、
・なぜ失敗した?
・どこを楽観的に見積もってた?
をメモしておくと、自分の傾向が見えてきます。
たとえば:
プレゼン準備、2日でできると思ってたけど→実際は4日かかった
理由:資料探しで想定外に時間がかかった
こうしておくと、次に同じ失敗を繰り返しにくくなるのです。



大事なのは、“悲観的になる”ことじゃなくて、“リアルに備える”こと。その先にこそ、本当の安心があるのよ🌷



なるほど…“前向きな慎重さ”ってことですね!
📝まとめ|“思考のクセ”に気づけば、人生の選択が変わる



診断してみて、ぼく“やや楽観型”でした!ちょっと油断してるかも…



それに気づけたことが、すごく大きな一歩よ☘️
🔍 楽観バイアスは、誰にでもある“脳のクセ”
人は、自分にとって都合のいい未来を信じやすく、
そうでない情報にはフタをしてしまう傾向があります。
でもそのクセに「気づいているかどうか」で、
リスクへの備えや行動の質は大きく変わります。
🛠 今日からできる、現実に根ざした“前向きさ”の育て方
- 最悪のケースも1度シミュレーションしておく
- 「自分なら大丈夫」だけで判断しない
- 楽観的すぎた見積もりをメモして見直す
この3つを意識するだけで、
「油断しすぎず、でも希望を捨てない」バランスのとれた思考が手に入ります✨



“前向きに考える力”ってね、
じつは“現実を正しく見る力”から育つのよ🍀



思い込みに気づけるだけで、未来が変わりそうな気がします!
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📝 ご注意ください
・本記事は、信頼性の高い文献や論文をもとに専門知識をわかりやすく整理した一般情報です。
・内容には十分配慮しておりますが、個々の状況や悩みには専門家へのご相談をおすすめします。
・内容に誤りやお気づきの点がございましたら、そっとお知らせいただけると幸いです。
参考文献
- Shepperd, J. A., Waters, E. A., Weinstein, N. D., & Klein, W. M. P. (2015). A Primer on Unrealistic Optimism. Current Directions in Psychological Science, 24(3), 232–237. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4467896/
- Scheier, M. F., Carver, C. S., & Bridges, M. W. (1994). Distinguishing optimism from neuroticism (and trait anxiety, self-mastery, and self-esteem): A re-evaluation of the Life Orientation Test. Journal of Personality and Social Psychology, 67(6), 1063–1078.
※ LOT-R公式解説ページ:https://www.psy.miami.edu/faculty/ccarver/lot-r.html - Wojtkowska, K., Kulesza, W., Muniak, P., Dolinska, B., Węgrzyn, R., & Izydorczak, K. (2022). Media intervention program for reducing unrealistic optimism bias: The link between unrealistic optimism, well‐being, and health. Applied Psychology: Health and Well-Being, 14(2), 499–518. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9298214/
- Sharot, T., Korn, C. W., & Dolan, R. J. (2011). How unrealistic optimism is maintained in the face of reality. Nature Neuroscience, 14(11), 1475–1479. https://www.nature.com/articles/nn.2949
- Klein, C. T. F., & Helweg-Larsen, M. (2002). Perceived Control and the Optimistic Bias: A Meta-Analytic Review. Psychology & Health, 17(4), 437–446. https://www.semanticscholar.org/paper/Perceived-Control-and-the-Optimistic-Bias:-A-Review-Klein-Helweg-Larsen/5fe9207b38651cfb66cdc338d445274085e36d13